英語学習と流暢に英会話するのは全くの別物だ

英語が得意になることには2つの意味がある。英語という科目の勉強が得意でTOEICなどの試験で高得点が取れること。もうひとつは外国人とのコミュニケーションが堪能で、主にスピーキングレベルが得意ということ。

多くの英語学習者が勘違いをしているのだが、試験勉強をすれば当然のように外国人と何不自由なく話せると思っている。勉強ができるのとコミュニケーション力とは全く違う能力と認識することはとても重要だ。

日本語に置き換えてみれば分かるが、国語が得意だからといって、人を楽しませるトークができるわけではない。お笑い芸人のように人を楽しませるのが得意な人は、逆に学校の勉強は苦手だが場の空気を読むのが上手で、どう話せば相手の感情を動かせるか感覚的に身についている。

いわゆる勉強だけができる人はこういったコミュニケーションが苦手な人が多い。勉強は個人で努力するだけで結果を出せるが、コミュニケーションは相手あってのものだ。

好きな人に振り向いてもらおうと思い、いくら努力しても相手のその行動が響かないと全く相手にしてもらえない。コミュニケーションは勉強のようにただ努力するだけでは絶対に向上しない。

留学ではTOEICで高得点を取るほど大きな挫折を感じる

TOEIC800点だった知人が米国留学したが、日本にいた時には自分の英語力に大きな自信を持っていた。何せ英語のテストでは常に高得点を上げていたので、ネイティブとも対等にコミュニケーションできて当たり前だと思っていた。

しかしいざ留学してみると、簡単な日常会話でも何を言っているのか分からずに今迄の英語勉強は何だったんだという大きな挫折感を味わった。

周りのクラスメートが何の話題をしているか分からないためグループに溶け込めない、授業での内容がほとんど聞き取れない、事務手続きをするにもこちらの意志が相手に伝わらない等、日常生活の全てにおいて不便さを強いられる。

そもそも日本に住んでいたら生きた英語に接することはほとんどないため、机でいくら勉強しても実践の場で通用することはありえない。しかし日々現地で生の英語に接するうちに、慣れてくるので1年もすれば理解できるようになるが、英語勉強が得意だという自意識から、挫折から立ち直れないという日本人は多い。

高学歴エリートほど、自分を守るために知識武装し石橋を叩いて渡るような生き方をするが、ひとたび挫折してしまうと、打たれ弱く立ち直れないという話はよくあり、英語でもピッタリ当てはまる。

英語上達には目的を明確化すること

このようにTOEICなどの試験勉強をすれば自然と英語によるコミュニケーション力が上達するわけではないので、自分が英語と向き合う上で目的は何なのかをはっきりさせることだ。

TOEICを勉強することで就職に役立つために勉強するという目的ならいいが、英語でのコミュニケーション力を上げたければ、机での勉強でなく、実際に英語圏の友達を作ったり、サークルに参加したりして常に実践で英語力を鍛えていかなけえばならない。

僕は言語を習得する上で一番大切なのは勇気だと感じている。母語が伝わらない外国人と話すには勇気がなければ、自ら積極的に話しかけようとしない。

日本人同士ですら、仕事関係や親しい人以外とは話をしないのに、外国人ともなるとかなりの障壁がある。この障壁をなくすためには、普段から知らない人とも挨拶や雑談が気軽にできるようになった方がよい。

こういった場合に心の中で「無視されたらどうしよう」「どうせ軽くあしらわれてしまう」などとメンタルブロックが働くが、勇気を持つことができれば、その壁を打ち破ることができる。

僕はもともと人と話すことがかなり苦手でインドアタイプだったが、自分を変えようと思い、勇気を出して自分から積極的に声を掛けることで人と打ちとける楽しさを知った。

こうやって英語を通して自分をアグレッシブに変えることで、英語学習よりもっと大切な勇気というスキルを身につけることができる。